今回紹介するNikon FAは1983年発売のカメラ。
当時はまだフィルムカメラが主流でしたが、絞りやシャッタースピードを自動で調整する機能が搭載されたカメラがたくさん発売された時期でもあります。
Nikon FAは5年ほど使っていますが、ピント以外は全部オートでやってくれるので非常に使いやすく、フィルムカメラを初めて触る方にもおすすめです。
- ピント合わせ以外はオートで撮影可能
- マルチパターン測光が便利
- 重たいが、グリップがあり持ちやすい
それでは早速見ていきましょう!
外観
上から
軍艦部にダイヤルがたくさん乗っています。
いかにもフィルムカメラらしい見た目ですね。
本体はかなり薄いのですが、ミラーが入っているファインダー部分はかなり前に出ています。
レンズも重たいのでフロントヘビーになるかと思いきや、本体にぎっしり部品が詰まっているので意外と持ったときのバランスは良い感じ。
グリップも付いているので持ちやすいです。(最近のNikonの一眼レフには流石に敵わないですが)
後ろから
背面はファインダーだけです。
小難しいこと考えずにガンガン撮影できます。
ファインダーはかなり大きく、メガネを掛けていても使いやすいです。
前から
黒いボディーがしまって見えてカッチョいいですね!!
写真で見ると大きく見えるかもしれませんが、最近のデジタル一眼と比べてもかなりコンパクト。
質感
外装はブラックペイント。
ちょっと光沢があって、高級感があります。
すぐに剥がれるということもなく、たまに布で拭いてあげればきれいな状態を保てます。
シャッタースピードダイヤルは適度なクリック感があり扱いやすいです。
操作
Nikon FAの操作系について見ていきましょう!
取り回しについて
ミラーレスやコンデジと比較すれば大きいですが、フィルムの一眼としては普通のサイズです。
重量はそこそこあり、見た目の大きさよりも重く感じます。
むしろ最近のカメラが軽すぎるのではないかと思いますが…。(もちろんカメラは軽いほうが良いと思います!)
最近のカメラでは当たり前のグリップも付いています。
流石に最新機種の握り心地には敵いませんが、巻き上げレバーもあるので持った感じは案外安定しています。
操作は軍艦部で完結
他のニコンのフィルムカメラ同様、操作系のほとんどは軍艦部で完結します。
- シャッタースピード
- 露出補正
- ISO
- 撮影モード
- 多重露光
- フィルム巻き上げ
流石にデジタルカメラと全く同じようには操作できません。
しかし、一度マニュアル撮影の練習をしておくと、デジタルカメラで「こんな写真を撮りたい!」思ったときにどんな設定をすればよいかがわかります。
デジタルカメラの操作系はカメラの仕組みを理解していることが前提のフシがありますので、マニュアルは写真の練習に良いですよ!
撮影モードのダイヤルがある!
Nikon FAはニコン初のマルチモードAEに対応したカメラです。
AEとは自動測光のことで、カメラが自動で適切なシャッター速度、露出を決めてくれる機能です。
デジタルカメラのダイヤルにはPSAMという選択肢があると思いますが、それぞれ以下の機能を持っています。
モード | 説明 |
---|---|
P:プログラムオート | シャッター速度も絞りも自動 |
S:シャッター優先 | シャッター速度に合わせて絞りを決定 |
A:絞り優先 | 絞りに合わせてシャッター速度を決定 |
M:マニュアル | シャッター速度も絞りもマニュアル |
マルチパターン測光について
Nikon FAは世界初のマルチパターン測光が可能なカメラです。それまでの測光は中央部重点測光という方式でした。
名前の通り、中央部重点測光はファインダー中央部の明るさで測光します。
そのため、ファインダーの中央にある被写体がちょうどキレイに写る設定で撮影をしてくれます。
一方でマルチパターン測光はファインダー内を複数に分割して(Nikon FAは5分割)、全体のバランスを計算して撮影してくれます。
そのため、被写体がファインダーの中央にない場合でもちょうどよい明るさで撮影が可能です。
マルチパターン測光のメリットは、測光に時間をかけず、撮りたいと思ったときにパッと撮影ができることです。
中央部重点測光より、測光の失敗は少ないでしょう。
逆に、意図的に逆光のシルエット撮影をしたいとか、ファインダー内の明暗差が激しくてどちらかに合わせたい場合などは中央部重点測光で撮影したほうが適切な明るさで撮影が可能です。
マルチパターン測光はハズレが少ない代わりに、撮影者の意図が反映しづらい。
一方で中央部重点測光は慣れが必要ですが、うまく使えば意図通りの撮影が可能です。
絞りの確認はレバー操作
絞りのを変えると、ピントが合う範囲が変化します。
Nikon FAは撮影するときに絞りが動くので、ファインダーを覗いたときは常に絞り開放の絵が見えるのです。
F値を絞った際のピントが合う範囲を調べたい!という場合には、レンズの横にあるレバーを操作して絞りの確認ができます。
作例
それではNikon FAで撮影した写真をご紹介していきます。
AI Nikkor 50mm f/1.4S
マルチパターン測光は失敗が少なくて良いですね。
難しいこと考えずにガンガンシャッターを切れるので、撮影のテンポがアガります。
ファインダーが大きくて見やすいので、F値1.4でもピントは合わせやすいです!
tamron 35-70mm f3.5 cf macro
構図全体でバランスを撮ってくれるので、橋の裏側など日が当たらない部分も黒く潰れずキレイに写せます。
Helios 44-2 58mm
フィルムカメラを使っていて困るのが、日中の日陰など他よりちょっとだけ暗いところ。マニュアルだと設定を見誤って真っ暗になることもありますが、マルチモードAEを搭載しているNikon FAはかなり頼れる相棒と言えます。
露出補正ダイヤルを組み合わせれば、ちょっと明るめに撮るのも簡単です。
まとめ
ちょっとフィルムカメラに興味はあるけど、何を選べばよいのか分からない。
デジタルカメラなら使えるけど、いきなりマニュアルで撮影は大変。(かつNikon派)
そんなあなたにNikon FAは大変オススメです。
慣れないうちはプログラムオートで撮影して、気が向いたら他のフィルムカメラと同様に完全にマニュアルでも撮影できます。
古いカメラなので当然中古しかありませんが、普通に使えるものが3万円程度で買えるのでお財布にも優しいですよ。
フィルムカメラ屋さんを巡るのも楽しいですが、カメラファンやGoogleでNikon FAと検索すれば、取り扱っているお店を簡単に見つけられます!
5年使ってもまだまだ魅力が語り尽くせないカメラです。はじめての1台に是非!
コメント