ここ数年フィルムカメラの人気が復活している、みたいな話をよく耳にします。
僕自身、2015年頃に知人にフィルムカメラを譲っていただいてから、ずっとフィルムカメラを使い続けています。
また、「写ルンです」の人気が再燃したり、チェキの年間売上台数が15年前の10倍に増えたりと、にわかには信じられないことが起きています。
フィルムカメラの人気再燃の理由を色々考えてみたのですが、やっぱりフィルムでの撮影自体が楽しかったり、フィルムカメラそのものの魅力があるからではないでしょうか??
さて、フィルムカメラに手を出してみようと思っても、カメラの買い方や選び方、そして楽しみ方がわからないという方もいらっしゃるはず…。
今回はフィルムカメラの始め方を3パターンまとめてみました。
2021年のフィルムカメラ界隈
フィルムカメラの楽しみ方をご紹介する前に、この記事を書いている2021年ごろのフィルムカメラ界隈を振り返ってみます。
本題とはそんなに関係ないので、興味ない方はスキップしてくださいw
さて、冒頭ではフィルムカメラ人気再燃などの明るいニュースだけに触れていますが、フィルムカメラやフィルムの生産終了などの残念なニュースもあります。
生産終了、販売終了等のニュース
- Leica M7の生産終了 2018年
- Canon EOS-1Vの販売終了 2018年
- Nikon F6の生産終了 2020年
- フジカラー100、
SUPERIA PREMIUM400
セット販売終了2020年 - フジカラーPRO 400H 生産終了 2021年
- etc
一番ショックだったのは、国内最後のフィルムカメラであるNikon F6の生産終了のニュースでした。
富士フイルムもフィルムの生産終了や値上げなどを行っており、フィルムカメラ好きには辛いニュースです…。
一方で明るい話題もあります。
復活、新商品等のニュース
- Kodak Ektachrome E100の復活 2018年
- FUJIFILM ネオパン 100 ACROSの復活 2019年
- ILFORD ORTHO PLUSの新発売 2019年
- Lomography LomoChrome Metropolisの新発売 2020年
- Fujifilm Instax Square SQ1の新発売 2020年
- Fujifilm Instax Mini11の新発売 2020年
- Polaroid Nowの新発売 2020年
流石にフィルムの一眼レフやレンジファインダー機の新発売はありませんが、上記以外にもインスタントカメラを中心に新製品の発売が続いていますね。
写ルンですやチェキのような手軽さがフィルムカメラの魅力なのかもしれませんね。
また、国産のフィルムはどんどん減っていますが、海外に目を向けるとフィルムの生産・販売は続いていますし、クラウドファンディングでの新製品発売などもあります。
Lomography LomoChrome MetropolisやPolaroid Yellow Film 600のような超個性的なフィルムを見ちゃうと、やっぱりフィルムカメラはやめられないな~と思ったりしますね!
フィルムカメラの楽しみ方
フィルムカメラの楽しみ方は人それぞれですが、今回はカメラの種類別に3通りの楽しみ方をご紹介します。
インスタントカメラで「世界でたった一枚」の写真を手に入れる
インスタントカメラはフィルムカメラを気軽に楽しみたい方にオススメです。
ポラロイド、チェキ、Kodakなどからカメラとフィルムが発売されており、しかも新品で買えます!
- 世界でたった一枚の写真が撮影できる
- 手軽に楽しむことができる
- おしゃれ・かわいい系のカメラが多い
- カメラ本体は安価なので手を出しやすい
インスタントカメラの最大の特徴は、やはり現像・プリントなしで写真を手に入れることができる点ですね。
フィルムを装填して撮影したらすぐに写真ができあがるので、普通のフィルムカメラのような現像・プリントなどが不要です。
しかも基本的に焼き増しはできないので、「世界でたった一枚の写真」を手に入れることができます。※1
写りは当然機種によって異なりますが、悪く言えばチープで、良く言えば味のある「エモい」写真が撮影できます。
結婚式やパーティーの思い出づくりに使われるケースも多いようで、僕の結婚式でもゲストの写真を撮影してメッセージを書いてもらいましたよ!
また、この手のインスタントカメラは本体は比較的安価に入手でき、デザインもおしゃれ・かわいい方面のものが多い印象。
とくに富士フィルムのチェキは、丸みを帯びた形やパステルカラーが特徴的で、20代後半男性の僕が使っていると多分違和感があると思いますw
- フィルム代は少し高め
- 基本的に焼き増しはできない
- デジタル化が面倒
弱点として、カメラ本体が安い代わりにフィルムがちょっと高いですね。
ポラロイドだと約340円/枚で、チェキは約81円/枚といった感じ。
また、通常のフィルムであればデジタル化は容易ですが、インスタントカメラのフィルムはデジタル化が難しいという特徴もあります。
SNSなどにアップしたい、という方にはあまり向かないかもしれませんね。
※1 最近はデジタルのインスタントカメラもあるので実は焼き増しもできます
コンパクトフィルムカメラでちょっと冒険してみる
インスタントじゃなくてちゃんとしたフィルムカメラがほしいけど、昔のフィルムカメラは使い方が難しそう…という方にはコンパクトフィルムカメラがおすすめです。
写ルンですやYASHICA MF-1やKodak M35などは写りがチープで運が悪いとすぐ壊れますが、安価な上に新品で買えます。
お財布に余裕がある方には、中古しかありませんがRicoh GRシリーズ、Fujifilm KLASSEシリーズ、Contax Tシリーズなどの高級コンパクトフィルムカメラもおすすめです。
- 操作がかんたん
- 軽いので持ち運びやすい
- 写りはとてもきれい
- 今なら状態の良い中古が多い
コンパクトフィルムカメラはフィルムカメラの中では比較的最近製造販売されていたもので、1980~2000年頃の製品が多いです。
露出の設定やピント合わせなどは自動でやってくれるものが多く、被写体を決めてシャッターを切るだけで手軽に写真を撮影できます。
また、コンパクトと言うだけあってサイズが小さくて軽いものも多く、毎日持ち歩くにはちょうどよいものですね。
コンパクトだから写りが微妙かというとそんなことはありません。
すごくきれいに撮影できます。
例えば森山大道という写真家は、フィルム時代のRicoh GRからずっとGRシリーズのカメラを使っているとか…。
もちろん高級コンパクトフィルムカメラの新品はもう売っていませんが、2000年代の中古などは状態が良いものも多いです。
- レンズ交換ができない
- 「カメラを操っている感」がない
慣れてしまえば気にならないのですが、コンパクトフィルムカメラはレンズ交換できないものが多いです。
カメラをコンパクトにするためには仕方ないことかもしれませんが、使ってみたいレンズがあったり、状況によってレンズを付け替えたいという方には不向きですね。
また、これは完全に好みの問題だと思いますが、コンパクトフィルムカメラでは「カメラを操っている感」があまりありません。
露出の設定、ピント合わせ、フィルムの巻き上げなどなど、撮影に必要な手続きを自動化してくれるのは便利なのですが、フィルムカメラは「面倒を楽しむ」とか「使いこなす」系の趣味だと思うので、個人的には少し物足りなさを感じます。
本格フィルムカメラで永遠の自由を手に入れる
使いたいレンズやフィルムが決まっていて、露出の設定などを自分でやりたい!という方には本格フィルムカメラがオススメです!
「本格フィルムカメラ」という種類のカメラはありませんが、一眼レフやレンジファインダーというものを指していると思ってくださいw
- 数多のメーカーから好みの1台を見つけられる
- カメラ本体・レンズ・フィルムの組み合わせが楽しい
- 永遠に型落ちしない完成したカメラを手に入れられる
- 使っていて一番楽しい
現存しないメーカーや国外のメーカーも含めると、Nikon、Canon、Fujifilm、Pentax、Olympus、Konica、Minolta、Rollei、Leica、Hasselbladなどなど、数多のメーカーからカメラやレンズを選ぶことができます。
さらにはレンズの交換もできるしフィルムも入れ替えられるので、カメラ×レンズ×フィルムで好みの組わせを見つけることができます。
そして、毎年のように最新機種が発売されるデジタルカメラでは絶対に味わえない「今後絶対に型落ちしない」という永遠の自由を手に入れることができます。
例えば僕はLeica M4という50年以上前のカメラを持っていますが、現行のフィルムカメラと比べても見劣る点はありませんし、このモデルの後継機種がこれから現れることはまずないでしょう。
修理して使い続ければ一生使えると考えれば、もう新しいフィルムカメラを買わなくてもすみます(買わないとは言いませんがね!)。
そして、この手のフィルムカメラは案外安く手に入れることができます。
最近はフィルムカメラの人気再燃で中古市場も値上がりしているようですが、5万円ほどあればNikonやCanonの一眼レフはまだ買えるはずです。
- 選び方がわからない
- 使い方がわからない
- ほしいカメラが売ってない
そもそもこれからフィルムカメラを始めようとしているのに、昔のフィルムカメラの選び方や使い方なんてわからないですよね。
こればかりは仕方ないことですが、中古カメラ屋さんに出向くと店員さんが色々話を聞いてくれるし、身の回りにいるフィルムカメラに詳しい人に選ぶのを手伝ってもらうことで解決できます。
カメラの基本的な使い方はメーカーや年代問わず大きく変わっていないのでそんなに困ることもありませんが、「カメラの名前+説明書」などで検索すると大抵の説明書は見つかる…事が多いです。
あとは中古しかないので、お目当てのカメラがあってもタイミングによっては全く見つからないなんてこともあります。
逆に、ふらっと中古カメラ屋さんに行ったら探していたカメラが破格の値段で売られていて、気がついたら買ってたみたいなこともあります。
中古カメラの入手性には運要素があるので、そういうものだと思ってカメラ探しを楽しんでしまいましょうw
まとめ
「デジタル写真にはない味や雰囲気」という言葉もよく見かけますが、スマホやデジタルカメラで撮影した画像を加工すれば「フィルム風」の写真なんてかんたんに作れますよね。
それに、フィルムで撮ったからノスタルジックな写真が撮れるわけでもありません。
じゃあなんでフィルムカメラの人気が再燃しているかといえば、撮影にかかる手間や現像を待つ時間など、写真撮影の過程を楽しめることが理由だと思います。
また、デジタルカメラにはない機械としての魅力もありますよ!
結局のところ、今からフィルムカメラに手を出すのに合理的な理由なんてないかもしれませんが、一度夢中になると本当に楽しい趣味です。
とりあえず何でもいいからフィルムカメラ触ってみたい!という方には、やはり写ルンですが大変オススメです。
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