「あなたの仕事道は何ですか?」と聞かれたら、間違いなくキーボードと答えます。
毎日触る道具ですから、使い勝手の良さにはこだわりたいのです。
これまでHHKB、MicrosoftやLogicool製のキーボードを使ってきましたが、3周ぐらい回って結局このキーボードに戻ってきました。
FILCO Majestouch Ninjaは有線接続のみ、見た目は地味で、光りません。
が、キーボード選びで一番大事な「長時間使っても疲れず、打ち間違いも少ない」というポイントをばっちり満たしてくれます。
しかも安い。
メカニカルキーボードの入門用にオススメですし、そのまま何年も使い続けることができるでしょう。
この記事ではUS配列をレビューしていますが、もちろんJIS配列もあるのでご安心を。
- 長い時間使っても疲れない&打ち間違いも少ない
- 歴史と信頼のあるCherryMXスイッチ採用
- 道具感が強い、無骨で実用的なデザイン
- 安い
- 有線接続のみ
- 持ち運べるサイズ、重量ではない
特徴
安心のCherryMXスイッチ
キーボードにのスイッチにはいくつか種類があります。
メカニカルスイッチでは、スイッチ内部の接点が触れることで電流が流れて入力されます。
打ち心地が明確で、耐久性が高く長期間使えるのが特徴で、いわゆる高級キーボードではメカニカルスイッチを採用していることが多いですね。
また、バリエーションも豊富で、キーの重さやクリック感の有無、強弱などで膨大な選択肢があり、好みのスイッチを探すのが楽しかったりします。
FILCOのMajestouchという名がつくキーボードはドイツのCherry製のスイッチを採用しています。
Cherry社は1953年創業の企業で、CherryMXスイッチは1983年に開発されました。
スイッチ | クリック感 | 押下圧 | ストローク | 接点 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
茶軸 | あり | 55cN | 4.0mm | 2.0mm | ごくわずかなクリック感がある 初めてのメカニカルスイッチにおすすめ |
青軸 | あり | 60cN ±15cN | 4.0mm -0.5mm | 2.2mm ±0.6mm | はっきりしたクリック感と音 メカニカルらしい爽快感 |
赤軸 | なし | 45cN | 4.0mm | 2.0mm | クリック感がなく、音も静か 軽いキータッチが好きな人におすすめ |
静音 赤軸 | なし | 45cN ±15cN | 3.7mm -0.4mm | 1.9mm ±0.6mm | 赤軸よりも打鍵音が30%ほど削減される オフィスなどで静かなキーボードを使いたい人 |
キートップの印字なし
タッチタイピングには慣れているし、印字だらけのキートップは好みではない…けどさすがに無刻印は使いづらいよ…という人にオススメです。
薄型のキーボードはそもそもキーキャップが薄いので、キー前面への印字はメカニカルキーボードの特権ですね。
印字の摩耗を気にする必要もないし、単純に見た目が良いです。
また、日本語配列でもひらがなの印字がない、全角/半角の切り替えがE/Jと表現されるなど、印字にはかなりこだわっているようです。
接続は有線のみだがそれでいい
無線USBもBluetoothもありません。
もちろん無線接続のほうが取り回しは楽ですし、僕も持ち運ぶ用のキーボードは無線を選ぶことが多いです。
が、無線USBは多少マシですが、特にBluetoothは接続が不安定すぎて基本的に信用していません。
仕事でもテキストを打つことが多いんですが、タイピング中に無線接続が切れて入力が止まったり、「a」と入力したら「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」ってなったりと、イライラすることが多いです。
安定性に関して言えば、当然有線接続が一番安心です。
卓上のケーブルが一本増えますが、置きっぱなしにして使うものなので問題なしです。
…ただ、欲を言えば、USB Type-Cの取り外し可能なケーブルに対応してほしかったですね。
外観
NINJAなので黒だけ
この記事でレビューしているのはUS配列のNINJA、JIS配列のほうはBLACKという名前になっています。
カラフルでポップ、あるいはモノトーンで濃淡をつけたようなおしゃれなキーボードがたくさんありますが、それらとは真逆を行くデザインですね。
キートップに印字がないので余計に黒面積が多く見え、真上から見るとほぼ真っ黒です。
道具感あふれる無骨な見た目
面取りや刻印、異素材の組み合わせなどはなく、四角い箱がドーンと置いてある感じです。
本体前面に控えめにFILCOのロゴが入っていますが、それ以外には特にデザイン要素ナシです。
しかも、他のMajestouchシリーズのロゴはシルバーなんですが、NINJAではここもブラックです。
道具に徹している感じが大変好みです…。
筐体はプラスチックだけど高級感あり
外観に関してはさんざん地味だと言ってきましたが、じゃあ安いっぽいのかというとそんなことはありません。
キーはさすがにシボ加工されていませんが、キー前面印字という他にはあまりないデザインもあって満足度は高いですね。
地味ではあるが決して安っぽくはない、絶妙なデザインだと思います!
使用感
無線なしとサイズが許せるならこれが最適解
一時期無線のキーボードをメインに使っていたので、その便利さと使い勝手の良さは十分に認識しています。
60~65%ぐらいのコンパクトで薄型なキーボードも大変魅力的です。
Majestouch NINJAにはそういった流行りの要素が一切ないものの
様々なキーボードに浮気してきましたが、結局FILCOのキーボードに戻ってきてしまうんですよね。
有線接続しかないことに加えて、それなりに厚みがありパームレストの利用がほぼ必須である点を許せるのであれば、FILCO Majestouchシリーズはメカニカルキーボードの最適解です!!
長時間使っても疲れにくい
メカニカルキーボードに慣れないうちはしっかり押し込まないと反応しないとか、独特な感触に落ち着かないなんて思うかもしれません。
しかし、一度慣れてしまえばキーを打つ感触や音がとても心地よく感じられます。
もはやキーボードを使いたいから仕事する、みたいなことになります。
CherryMX赤軸はクリック感がなくキーをスッと押すことができ、個人的には一番好きな軸です。
他の軸をあまり使ったことがないので公平な意見ではありませんが、キーの軽さや押した後の反発性など、長時間タイピングをしても疲れにくいのがありがたいですね。
キーにクリック感が欲しい!という方には青軸や茶軸が良いかもしれませんが、こだわりがない方は赤軸をオススメします。
やはりUS配列は良いぞ
この日本でわざわざUS配列のキーボードを使う必要は全くありません。
が、それでもUS配列って良いんですよ…。
まずはJIS配列よりもデザインが良いです。
醜くて巨大なEnterキーが存在しないし、シンメトリーな配列は文句なしに美しい…。
単純に見た目が良いだけでなく、キーの配列そのものも合理的かつ使い勝手が良いのです。
- 余計なキー(変換、無変換)が存在しない
- ホームポジションを維持しやすい
- 記号の位置が覚えやすい
US配列の好きなところを書き始めるときりがないので止めておきます。
なんでUS配列を選んだのかと言われたら、好みだから…としか言えないですね…。
日本人が使うキーボードとしては間違いなくJIS配列が正解なんですが、やっぱりUS配列が好きなんです。
いまいちな点
PCとの接続は有線のみ
無線に比べて圧倒的に安定しているとはいえ、無線で文字が入力できないわけではないですし…。
これは配線と安定性のどちらに重きを置くか、という問題でしょうか。
僕にとっては無線であることよりも接続が安定していることのほうが重要です。
逆に出先でパソコンを使う機会が多いとか、いつでもどこでも同じキーボードを使いたい!…のであれば無線一択ですね。
この辺りはキーボードの使い方、使う場面で大きく優先順位が変わりますが、有線接続だからって購入の候補から外すのはもったいないぞと声を大にして主張したい…。
大きくて重い
Majestouch NINJAのサイズは幅359mm×奥行137mm×高さ37mm、重量は1.0kg。
もちろん頑張れば持ち運べないことはありませんが、そもそも有線接続しかできないので据え置いて使うことが大前提となるでしょう。
出先でわざわざ外付けキーボードなんか使わないよ、という大多数の人にとっては大した問題ではないですね。
まとめ
キーボードに何を求めるかは人それぞれですが、仕事道具であるため「どれだけタイプミスせず快適に文字を打ち込めるか」という観点は絶対に外せません。
無線で接続できたり、光ったり、いろいろボタンがたくさんついているのも魅力的ではありますが、タイピングのしやすさという基本性能を犠牲にしてはいかんと思うのです。
その点FILCO Majestouchシリーズはキーボードとしての基本性能が圧倒的に高く、それでいて値段も控えめ、長期間の使用に耐えうるなどなど、本当に良いキーボードです。
道具として信用できる、本当に品質の高いメカニカルキーボードを求めている方はぜひMajestouch NINJAをお試しあれ!
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