新しいもの…特にガジェットを購入する際は、自分のもうけた要件を満たしているかどうかを重要視しています。
特にキーボードは毎日仕事でもプライベートでも使うものですから、いろいろと条件があります。
今回購入したのはlogicoolのMX MECHANICAL MINIというコンパクトキーボード。
無線USB、メカニカル、コンパクト&薄型と、かなり僕の理想に近いもの…のはずでした。
結論から申し上げますと、3か月ほど使ったのですがうまく使いこなせず、結局FILCO Majestouch Ninjaを購入して使っています…。
手放した大きな要因は75%というレイアウト。
あまりにもタイプミスが増えてしまい、キーボードに求める「どれだけタイプミスせず快適に文字を打ち込めるか」という観点でかなり評価を下げてしまいました。
ものとしては良いので、とにかく75%というレイアウトに手が馴染むかどうかが重要なポイントです。
可能な限り客観的に評価をしていきますので、お付き合いください。
- 商品名
-
logicool MX MXCHANICAL MINI 赤軸
- 価格
-
¥18,700
- メカニカルキーボードの快適な打ち心地
- 無線USB、Bluetoothどちらも使える
- マルチペアリング
- 光る
- logicool flow未対応
- キー配列には慣れが必要
- 印字がダサい
特徴
やはりメカニカルキーボードは良い
キーボードの基本性能である打鍵感、これは大変良いです。
メカニカルじゃないけど打ち心地が良い…という製品は最近多いですが、やはりメカニカルキーボードは安定して使い勝手も打鍵感も良好ですね。
パンタグラフやメンブレン、シザーなど他の方式ほど軽いタッチではありませんが、慣れると長時間キーボードを使っても疲れないので大変おすすめです。
メカニカルキーボードには様々な種類(軸)が存在しますが、本製品は以下の3種類から選ぶことができます。
タイプ | 特徴 | 音 |
---|---|---|
タクタイル | いわゆる茶軸 若干のクリック感あり | 比較的静か |
リニア | いわゆる赤軸 クリック感なし | 静か |
クリッキー | いわゆる青軸 クリック感あり | うるさい |
logicoolの公式サイトで打鍵音を確認することができます。
logicool製品は大型の家電量販店においてあることが多いので、実際に触って確かめてみましょう。
安いキーボードと比べるとキータッチの感触も音も段違いに良いので、メカニカルキーボード未体験の方はぜひお試しあれ。
どの軸が良いか…という話は長くなるので控えますが、初めてメカニカルキーボードを使うのであれば赤軸を選ぶのが無難かと思います。
無線USBもBluetoothも使える
このキーボードを選ぶ決め手の一つになったのが、無線USBもBluetoothも使えるという点。
以前使っていたMicrosoft Designers Compact Keyboard、ものとしては非常に良かったのですがやはりBluetooth接続だけしか使えないという点でレギュラーから降格しました。
Bluetoothは電波の混信などによって突然接続が切れることがあり、aと打っただけなのにaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaとか入力されたり、入力が無視されたりと不安定なことが多いです。
一方で無線USBは僕の経験上そういったことが起こったことはないですし、Bluetoothが不安定という声は結構周りでもよく聞きます。
特にlogicoolの無線USBはかなり信頼度が高く、職場でも使っている人が多いですね。
また、最近のノートパソコンであればほとんどの機種がBluetoothに対応していますが、デスクトップPCはそもそもBluetooth接続ができないこともあります。
ドングルをさせばすぐ使えるという観点で、デスクトップPCユーザーには無線USBをオススメします。
マルチペアリングもかなり便利
僕はデスクトップパソコンとノートパソコンに加えて社給のノートPCと、3台のパソコンを使っています。
同時に3台使うことはありませんが、せっかく買ったキーボードなのですべてのマシンで使いたいところです。
その点MX MECHANICAL MNIは3台のマルチペアリングに対応しており、接続先の切り替えもボタン一つで可能と、かなり使える仕様になっています。
専用の物理ボタンがあるわけでなく、F1~F3キーにそれぞれペアリング先が割り当てられる形ですね。
接続先 | 接続方式 | |
---|---|---|
F1 | デスクトップPC | Logi Bolt USB(無線USB) |
F2 | ノートPC | Bluetooth Low Energy |
F3 | 社給ノートPC | Bluetooth Low Energy |
切り替えも一瞬なので、複数のPCやタブレットなどを同時に使う場合でもかなり快適です。
スマートイルミネーションが(最初は)面白い
一度はあこがれる光るキーボード。
ゲーミングキーボードではRGBライトが文字通り虹色に光輝きますが、本製品はあくまでビジネス向けを意識した製品。
バックライトキーは白く光るだけです。
面白い特徴として、近接センサーによって手が近づくと自動で点灯し、照度センサーによって明るさが自動調整されます。
また、バックライト効果は以下の6パターン設定可能です。
- 静的
- ブリージング
- コントラスト
- ウェイブ
- ランダム
- リアクション
光キーボードが初体験だったので最初は面白いな~と思っていましたが、使い勝手には特に何も影響ないですね…。
あってもなくても良い機能ですが、好きな人には刺さるのかも…?
外観
75%レイアウト
キーボードのサイズを表すときにxx%レイアウトという表記をよく使います。
様々なサイズがありますが、MX MECHANICAL MINIはいわゆる75%キーボード。
特徴としては、Enterキーの右側に、home、end、pg up、pg downが配置されています。
75%の規格が存在するわけではないので、キーの並び方や数には製品ごとに特長があります。
MX MECHANICAL MINIは、コンパクトさを売りにしていることもあり特にEnterキー周りがかなり窮屈です。
また、75%キー0ボードのもう一つの特徴として独立したファンクションキーがあります。
ソフトウェアのショートカットキーが割り当てられていることが多いので、ファンクションキーが必須という方にはうれしい仕様ですね。
Fnキーとの組み合わせでメディアのコントロールやバックライトの綱領調整などが可能です。
キーピッチ(キー感覚の長さ)は19㎜と標準的な仕様で使い勝手は上々。
シンプルながら遊びのある配色
展開されているカラーはグラファイトのみ。
キーキャップの色は薄いグレーと濃いグレーで色分けされており、シンプルながら遊びのある配色ですね。
ゲーミングキーボードのようなギラギラ感はなく、オフィスで使うのにも良い感じのデザインです。
また、本体天面はアルミニウム製で剛性と軽さを両立しています。
プラスチック製の物と比べて高級感もあります。
メカニカルなのに薄型
メカニカルキーボードの弱点の一つに分厚い、という点があります。
一方、MX MECHANICAL MINIは薄型のメカニカルスイッチを採用しており、メカニカルなのに薄いというかなりおいしいつくりになっています。
キーボードが分厚いと、手のひらが宙に浮いたり、手首が変な角度でキーボードに触れたりして長時間使っていると疲れてしまうんですね。
パームレストを使えば解決するものの、キーボードと一緒に使うと卓上のそれなりの面積を占有するので悩ましいのです。
そのためキーボードがコンパクトであるという利点を最大限に生かすには、薄型であるというのはとても重要なポイントです。
パームレストなしで使い倒せるのはやはり便利です。
使用感
値段に見合った使い勝手の良さ
- USB Type-C充電式
- Windows/macOSに対応
- 角度調整可能
- キー機能のカスタマイズが可能
電源については最近のキーボードらしくUSB Type-Cによるバッテリー充電式。
Androidスマホやイヤホン、モバイルバッテリーにスピーカーと、今や世の中のガジェットの多くはUSB Type-Cを採用していますね。
手盛りのケーブルや充電器を使いまわせるので大変便利です。
正直なところ、接続の安定性を考えると有線接続にも対応してほしかったですが、Bluetoothに加えて無線USBも使えるのでここは及第点です。
また、Windows/macOS両方のレイアウトにも対応してますので、使用するOSを選ばない点もありがたいですね。
本体に傾斜がついていますが、足を立ててさらに角度を調整することもできます。
他にもキー機能のカスタマイズなど、キーボードに望めるほとんどの機能が搭載されているので、75%のキー配列に抵抗がない方には手放しでオススメできます。
持ち運べなくもないサイズと重さ
仕事の都合で出社&出張が多いので、キーボードの持ち運びやすさも気になるところ。
可搬性と品質のバランスではMicrosoft Designer Compact Keyboardが最強ですが、本製品も大きなカバンに放り込めば何とか持ち運べるサイズ&重量感です。
- 高さ:26.10mm
- 幅:312.60mm
- 奥行き:131.55mm
- 重さ:612g
愛があればどんなキーボードも持ち運べると思いますが、これぐらいなら気楽なもんです。
注意点として、薄型であるためキーが本体から浮いています。
カバンの中でどこかに引っかかる恐れがあるので、持ち運ぶのであればケースを使いたいところですね。
いまいちな点
logicool Flow未対応
残念ながら本製品はlogicool Flowに未対応です。
これ、対応したマウスとキーボードを利用すると、マウスカーソルを画面の端に移動するだけで操作するPCを入れ替えることができる機能です。
端末間でのコピー&ペーストにも対応してまして、なんと WindowsとmacOS間でも使えます。
過去に発売されたMXシリーズのキーボードにはこの機能が搭載されていたので、当然使えるものと思って購入したのですが、なぜか最新機種であるMX MECHANICAL MINIには搭載されていませんでした。
事前に確認しなかったのが良くなかったのですが、てっきり使えるものと思って購入したのでこれはショックです…。
まぁなくても困らないのですが、楽しみにしていたので…。
キー配列は慣れが必要
さて、このキーボード最大の問題点はキー配列です。
特徴の項目でもふれたように、このキーボードは75%サイズのキーボード。
これは個人の好き嫌い、あるいは慣れの問題ですが…
- Enterキー横にキーが並んでいる
- バックスペースの横にhomeキーがある
- Shiftキー左側のキーが若干左側にずれている
Enterキーまわりのキーが渋滞しており、カーソルを移動するものが集中しているため、文字入力中にカーソルがあちこちに飛びまくってしまい、まともに使えたもんではありません。
さらに、Shiftキー左側の「。」や「?」などのキーが一般的なキーボードより少し左側にずれているせいで、右手の使い方を変えないといけません。
これが致命的で、いつもとは違う角度で手首を曲げているせいか、少し長い文章を書いていると右手首がかなり疲れます。
必要なキーをかなり無理やり詰め込んで、使い勝手を犠牲にしている印象です。
慣れてしまえばhomeやendなどに手が届きやすいので便利…と言えなくもないですが、だったら最初から使い勝手の良い配列のキーボードを使えばいいだけです。
このレイアウトが他のメリットをすべて打ち消してしまうほどのデメリットでして、間違いなく人を選びます。
繰り返しますが、これはこの製品の悪さではなく、75%の配列と僕の相性の問題なわけですが、かなりストレスフルでした。
すでに75%のレイアウトを使いこなせる人には良いキーボードかもしれません。
そして、もはやただのクレームですが、単純に75%のレイアウトが全く美しく感じられません。
印字がダサい
これはlogicoolのキーボード全般に言えることなのですが、とにかく印字がダサい。
- かな印字がダサい
- WindowsとmacOS記号の混在
- 「Win」じゃなくて「スタート」って…
- スペースキー近辺に感じが多すぎ etc
Windows/macOS両方に対応したい気持ちはわかります。
かな入力を使う人がいることも重々承知しています。
使い勝手にも一切影響しない要素なのですが、こればっかり好みなので…。
スミマセン、やっぱりダサいです。
まとめ
発売前は「我が理想のキーボード」の基準のほとんどを満たしていたので、かなり期待値の高い製品でした。
ここまでレビューしてきたように、最近のキーボードに求められるような機能はほとんど搭載されていますし、薄型メカニカルキーボードであるという大変魅力的な製品です。
…が、75%レイアウトがこんなにも僕に合わないとは思いませんでした。
こればかりは実際に使ってみないとわからないので、残念ながら万人にオススメできるキーボードとはいえません。
75%であること以外は全く問題ない…いやむしろかなり高品質なキーボードですので、75%に慣れている方や修行が苦でないという方はぜひお試しください。
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